神戸家庭裁判所 昭和46年(家)2073号 審判 1972年2月21日
申立人 大神田英子(仮名)
事件本人 大神田光子(仮名) 昭三・二・一一生
主文
事件本人の保護義務者に
本籍兵庫県姫路市○○区○○町△丁目△△番地
住所大阪府摂津市○○△丁目△△の△
松村文夫
明治三三年二月一五日生
を選任する。
理由
申立人は事件本人の父大神田恒男の妻であり、事件本人は精神障害者であるところ、事件本人は昭和三八年ごろから松村文夫と内縁関係を結び、爾来夫婦として共同生活をしてきており、事件本人の入院治療費一切は松村文夫において支出し、退院の際は同人の許に引き取られることが予想される。
そうすると、事件本人の保護義務者としては内縁の夫松村文夫が最も適任であるといわなければならない。
なお、内縁の配偶者は精神衛生法第二〇条第一項各号のいずれにも該当しないので、これを選任することはできないとの見解もあるが、当裁判所はこれを採らない。内縁を準婚関係と把婚する以上、内縁の配偶者も同条第一項第二号の配偶者に準じて考えるべきであり、ただ内縁の配偶者については何ら公示の手段がないので、審判によりこの関係を明示することが必要であると解する。
よつて、主文のとおり審判する。
(家事審判官 下方元子)